沖縄のステーキ店で、鉄板焼きのパフォーマンス(フランベ)が失敗。炎が客席に燃え広がり、5歳の男の子が顔に、父親が両手に大やけどを負いました。なぜ事故は起きたのか。そして、私たちが客として自分の身を守るためにできることは何かを記録します。
家族での楽しい外食。目の前で繰り広げられる料理人の華麗なパフォーマンスに、子どもは目を輝かせる。
それは、どこの家庭にもある、ありふれた幸せな光景のはずでした。
しかし、その一瞬後、歓声は悲鳴に変わります。
これは、2022年に実際に起きた事故の記録です。
遠いどこかのニュースではなく、あなたの、私の、すぐ隣で起こりうる現実です。
事故の状況:何が起きたのか
2022年11月18日、沖縄県豊見城市のステーキ店「サムズアンカーインイーアス沖縄豊崎店」。
家族と食事に訪れていた5歳の男の子は、父親と一緒に目の前の鉄板焼きパフォーマンスを見ていました。
料理人が肉にアルコールをかけ、火をつけた次の瞬間。
「ボンッ」という音とともに、炎が爆発的に燃え上がり、撮影していた父親と男の子に襲いかかりました。
店内に響き渡る子どもの泣き声と、大人たちの悲鳴。
すぐに救急車が呼ばれ、2人は病院に搬送されました。
命に別状はなかったものの、その代償はあまりにも大きいものでした。
- 5歳の男の子:顔の半分にただれるほどのやけど。
- 父親:両手に大きな水ぶくれができるやけど。
楽しいはずだった食事は、一生消えないかもしれない傷跡と、心の傷を残す悪夢へと変わってしまったのです。
原因と背景:なぜ防げなかったのか
報道によると、事故の原因は「料理人の手順ミス」と見られています。
警察によると、炎が燃え広がった原因とみられるのは“手順の間違い”です。料理人が本来入れるべきでないタイミングでアルコールを入れたため、炎が飛び散ったとみられています。(出典: 2022年11月22日放送「news every.」より)
また、撮影されていた動画では、アルコールのボトルのノズルが客席側を向いていました。
専門家は、通常、客にノズルを向けることはないと指摘しています。
この事故から私たちが学ぶべき教訓は、「店側がプロだから安全だろう」という思い込みの危険性です。
パフォーマンスという非日常空間では、時に人的ミスが起こりうること。そしてそのリスクは、最前列で見ている観客、特に大人より体が小さく、反射的に身を守ることができない子どもに最も重くのしかかるという事実です。
【最重要】予防策:私たちが自分の子どもを守るためにできること
店側の安全管理を期待するのは当然です。しかし、それに加えて、親として、客として、自衛のためにできることがあります。
- 「危険な場所」という認識を持つ
目の前で火や刃物を使うパフォーマンスは、テーマパークのアトラクションと同じです。ただの食事の席だと思わず、「一定のリスクがある場所だ」と意識を切り替えましょう。 - 席の選択と位置取り
可能であれば、鉄板から少し距離のある席を選びましょう。カウンター席しか選べない場合は、必ず子どもを自分の内側(通路側)に座らせ、大人が鉄板との間の「壁」になってください。 - 「もしも」を想定し、常に動ける準備を
パフォーマンスが始まったら、荷物をまとめたり、スマホの撮影に夢中になったりするのではなく、いつでも子どもを抱えて椅子から立てる体勢でいてください。異変を感じたら、1秒でも早くその場を離れることが重要です。 - 子どもから目を離さない
子どもが身を乗り出したり、鉄板に近づいたりしないよう、常に子どもの体の一部(手や肩など)に触れておきましょう。
【最重要】対処法:もし、やけどを負ってしまったら
万が一、自分や子どもがやけどをしてしまった場合の初期対応が生死や後遺症のレベルを分けます。パニックにならず、以下の行動を叩き込んでください。
- とにかく冷やす!
やけどをしたら、すぐに、流水で、最低でも15〜20分間は冷やし続けてください。服の上から熱湯や油を浴びた場合は、服ごと冷やします。 冷やすことで、やけどの進行を止め、痛みを和らげ、傷跡を最小限に抑えることができます。近くの水道、店の厨房、トイレ、なければペットボトルの水でも構いません。一刻も早く、徹底的に冷やすことが最も重要です。 - 大声で助けを呼ぶ&119番通報
一人で対応しようとせず、すぐに「救急車を呼んでください!」「氷を持ってきて!」と周囲に助けを求めましょう。やけどの範囲が少しでも広い場合、水ぶくれができた場合、特に顔や関節の場合は、ためらわずに119番通報してください。 - やってはいけないこと
- 服を無理に脱がさない: 皮膚が服に張り付いている場合、無理に脱がすと一緒に剥がれてしまいます。
- 水ぶくれを破らない: 細菌感染の原因になります。
- アロエや味噌などを塗る: 民間療法は絶対にNG。傷口を汚し、悪化させるだけです。
この事故は、私たちに「サービスの受け手」であると同時に、「自分の身の安全を確保する当事者」でなければならないという厳しい現実を突きつけます。
この知識が、あなたとあなたの大切な家族を『まさか』から守る盾となりますように。

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